私たちは、社内外のステークホルダーと連携し、当社およびラグジュアリー業界全体でサステナビリティの文化を育んでいます。社内では、定期的なサステナビリティ・トレーニングプログラムを通じて認知と知識を高め、従業員がツール、目標設定、インセンティブを通じてブランドのサステナビリティ課題に貢献できるよう働きかけています。社外では、サプライチェーン全体でサステナビリティのための最良の方法や事例を実践することを徹底しています。
ボッテガ・ヴェネタとサステナビリティ
ボッテガ・ヴェネタの製品は、耐久性と品質に妥協することなく、世代を超えてお使いいただけるよう作られています。このようにサステナビリティは私たちの歴史と価値観に深く根ざしています。
ケリング・グループの一員として、私たちはラグジュアリー業界で最高のサステナビリティ基準を維持しています。私たちのコミットメントは、量よりも質を重視し、経済成長と資源の消費量を切り離すことで、メイド・イン・イタリーのサヴォアフェールを核にした、現代的な責任あるラグジュアリーのビジョンを根付かせることです。
今日、卓越した永続的なクラフトのヘリテージをもとに、私たちは以下の3つの主要な柱を中心に構成された社会的および環境的持続可能性のための意欲的なプログラムを展開しています。
-
グリーンアトリエ アプリ
2021年、ボッテガ・ヴェネタはグリーンアトリエ アプリをローンチしました。この社内ツールは、製品の持続可能性を評価することを目的としており、素材(トレーサビリティ、ケリング基準への適合性、環境への影響)およびサプライヤー(高度な化学物質管理、労働条件)に関連する5つの指標に基づいています。このアプリを通じて、すべての従業員はサステナビリティに関する詳細なデータにアクセスし、共通の言語を話し、最高水準のサステナビリティ基準に沿った意思決定をするための情報と権限を与えられています。
社内の目標設定
ボッテガ・ヴェネタの従業員の年間賞与には、10%のサステナビリティ目標が含まれています。これらの目標は2019年以降、各部門で設定されており、各チームの日常業務を反映して、包括的な参加を促進しています。
責任あるサプライチェーン
ボッテガ・ヴェネタが直接取引するサプライヤーの99%以上がイタリアに拠点を置いています。イタリア国内のクラフツマンシップに対するコミットメントは、製造拠点を適切に維持することを可能にしています。
すべてのサプライヤーは、ケリングのサステナビリティ原則、倫理規定、製品制限物質リスト(PRSL)、および現代奴隷法に関するステートメントを遵守することが求められています。すべての業務は、職場の基準と慣行に関する主要な認証であるSA8000認証管理システムに従って監視されています。
コンプライアンスを徹底するため、専門チームによる監査を通じてサプライヤーの厳格な監視を行っています。毎年、各製品カテゴリーに合わせたトレーニングセミナーを実施し、サステナビリティのためのベストプラクティスやインサイトを提供しています。
また私たちは、有害な化学物質を段階的に排除するために、サプライヤーに対して標準的な規制よりもさらに厳格な要件に従ってトレーニングやサポートを実施しています。サプライヤーは、有害な化学物質の使用を廃止するために、製品制限物質リスト(PRSL)および製造規制物質リスト(MRSL)を遵守しなければなりません。ボッテガ・ヴェネタはケリングを通じて、有害化学物質排出ゼロ(ZDHC)にも参加しています。
-
ケリングと連携し、私たちは環境に与える影響を削減する意欲的なプログラムに取り組んでいます。これには、2035年までに21年比で温室効果ガス排出量を絶対値で40%削減することが含まれています。つまり、ビジネスが成長するかどうかに関わらず、私たちはその影響を削減します。このコミットメントには、明確な目標、厳格な対策、そしてサプライチェーンの各段階での先駆的なイノベーションが含まれ、業務から製造、店舗、オフィス、アトリエまで全体にわたっています。
原材料
私たちのコミットメントは、ケリングの「ケリング・スタンダード -サステナブルな製造に関するスタンダードおよびガイダンス-」でも定義されているように、最も持続可能で永続的なソリューションを優先し、原材料を厳選することから始まります。
ボッテガ・ヴェネタのタイムライン
TODAY私たちが扱っているレザーは、環境、社会、動物福祉においてベストプラクティスを実践している地域および国から100%調達しており、サプライチェーンのトレーサビリティも確保しています。
製造工程において水とエネルギーの消費を減らすため、金属を使用しない革のなめしを優先しています。
余剰となった原材料を使用して、リザーブレザー シリーズでは特別なハンドクラフト作品を制作しています。
フランネルバッグやクライアントアドバイザーのユニフォームには、100%オーガニックコットンまたはリサイクルコットンを使用しています。
レディ・トゥ・ウェア製品では、75%のオーガニックコットンまたはリサイクルコットンを使用しています。
100% FSC認証またはリサイクルされた紙と段ボールを使用しています。
BY 2025「ケリング・スタンダード -サステナブルな製造に関するスタンダードおよびガイダンス-」で認められている、最高水準の第三者機関による環境、社会、動物に関する認証を取得した原材料を100%使用しています。
すべての製品とパッケージで、100%オーガニックコットンまたはリサイクルコットンを使用します。
セルロースの100%は、森林管理協議会(FSC)およびCanopyStyleの両方によって認証されています。
100%バイオベースプラスチックまたはリサイクルプラスチックを使用し、使い捨てプラスチックの使用を完全に廃止します。
再生農業から得られるカシミヤとウールの使用を拡大します。
アトリエ
モンテベッロ・ヴィチェンティーノにある私たちのメインアトリエは、18世紀に建てられたヴィラにあり、2014年以来LEED(エネルギーと環境デザインのリーダーシップ)のプラチナ認証を取得しています。
オリジナルのヴィラの改修にあたっては、細心の注意を払って既存の建物構造を保存し、元の材料の75%以上を再利用しました。追加で必要になった材料は地域で調達し、木材は100%、森林管理協議会(FSC)の認証を受けています。エコフレンドリーな対策は、節水、人工照明の削減、エネルギー効率に重点を置いています。ヴィラの屋根に設置された1,200平方メートルの太陽光パネル、雨水リサイクルシステム、排気を最小限に抑えるための地熱を利用した暖房と空調はその最たる例です。
2023年に開設されたヴィゴンツァにある靴専門のシュー アトリエも、LEEDプラチナ認証を取得しています。このアトリエでは、太陽光パネルなどの省エネルギー対策、建設時のリサイクル資材の使用、地域の生物多様性を支援するための取り組み、自然の生息環境の保全などが行われています。
ストア
2022年以降、すべてのボッテガ・ヴェネタの新店舗と改装店舗は、少なくともLEEDゴールド認証を取得しています。ヨーロッパおよびアメリカの全店舗では、100%再生可能な電力を使用し、構造上の理由で再生可能エネルギーが利用できない店舗では再生可能エネルギー証明書を購入しています。
オフィス
ボッテガ・ヴェネタのミラノ本社は、パラッツォ・サン・フェデーレとプリヴァータ・エルコレ・マレッリ通りにある2つの敷地から成っており、合計440平方メートルの太陽光パネルが設置されています。敷地内では100%再生可能な電力を使用しており、高性能の人感センサー、照明調整装置、雨水貯水システムなど、いくつかの省エネルギー、節水対策を備えています。
2014年に導入されたプリヴァータ・エルコレ・マレッリ通りにある2,400平方メートルのエコフードガーデンは、社員食堂に新鮮な野菜やハーブを供給し、ローカルな食材を毎日のメニューに取り入れるとともに、ボッテガ・ヴェネタの従業員に静かな屋外スペースを提供しています。完全にリサイクル可能または再利用可能な素材を使用して建設されたこの都市型フードガーデンは、侵襲性の低い照明システムと、雨水地下タンクから水を再利用するシステムを備えています。
ファッションショー
ボッテガ・ヴェネタのすべてのショーでは、ケリングのグリーン・ファッションショーのガイドライン に従っています。私たちの持続可能な取り組みには、ショーに使用された資材の再利用と再活用、再生可能エネルギーの使用、低炭素型の輸送ソリューション、持続可能なケータリングが含まれています。
-
職人集団の情熱から生まれたボッテガ・ヴェネタは、その卓越した革新的なクラフトによって定義されています。これはヴェネト地方で何世紀にもわたって受け継がれてきた素晴らしいレザーワークの上に築かれ、熟練した職人たちの才能と献身に支えられています。私たちは、この伝統とコミュニティを育むことが社会的かつ文化的な責任であると考えています。今日、私たちはヴェネト地方で1800人の職人を雇用しており、この地域のダイナミズムを育み、メイド・イン・イタリーの卓越性を促進し、独自のサヴォアフェールを次世代へと伝えていくために、さまざまなトレーニング、スキル向上、リスキリングを行っています。
サーティフィケート・オブ・クラフト(Certificate of craft)
2022年にボッテガ・ヴェネタはサーティフィケート・オブ・クラフト(Certificate of craft)を導入しました。これは、卓越した職人技へのコミットメントと、質を重んじる私たちの指針を体現しています。この証明書は、私たちの他に類を見ないクラフツマンシップを楽しみながら長くお使いいただけるよう、アイコニックなボッテガ・ヴェネタの製品に対して無償で修理やメンテナンスのケアサービスを提供するものです。
職人の才能を育成する
ボッテガ・ヴェネタは、ヴェネト地方で1800人の職人を雇用しています。私たちは、この地域の職人技を育むことが社会的かつ文化的な責任であると考えており、これによってヴェネト地方のダイナミズムを促進し、メイド・イン・イタリーのヘリテージを守り、ボッテガ・ヴェネタ独自のサヴォアフェールを新しい才能に伝えることを目指しています。
2006年に、私たちはヴィチェンツァの美術学校(Scuola d’Arte di Vicenza)に、初のレザーワークスクールを設立しました。また長年にわたって、ヴェネツィアのIUAV大学、キャンポのジョヴァンニ・フォンタナ職業訓練センター(Centro di Formazione Professionale Giovanni Fontana)、ヴィチェンツァ近郊のモンターニャ専門学校(Istituto Professionale Montagna)と提携し、革製品やテキスタイルに関するトレーニングコースやプログラムを共同で実施してきました。
2023年、私たちは職人のトレーニングに対するコミットメントを深め、Accademia Labor et Ingenium(アカデミア・ラボール・エ・インジェニウム)を立ち上げました。このアカデミアは、ボッテガ・ヴェネタの伝統的な「ボッテガ(工房)」との密接な関係を基盤としており、職人たちが技術を磨き、知識を次の世代へ受け継ぐ場です。この名称は、オリジナルの社章にも見られる、ブランド創業当初からの理念「Labor et Ingenium(「クラフトとクリエイティビティ」)」に由来しています。
モンテベッロ・ヴィチェンティーノにあるボッテガ・ヴェネタのアトリエと、ポヴォラロ・ドゥエヴィッレにある製造拠点に新設された専用の新しいスペースの間に位置するアカデミア・ラボール・エ・インジェニウムは、ボッテガ・ヴェネタの従業員、新入社員、外部の学生がトレーニングやイベント、コースを通じて熟練の職人から学ぶことができる常設の工房として機能しています。アカデミアの主な柱は、年間50人の学生を対象とした総合的なトレーニングプログラムで、コース修了後はボッテガ・ヴェネタでの雇用が保証されます。このプログラムは、熟練の職人のコミュニティによって主導され、手作業とクリエイティブな体験を組み合わせたカリキュラムを推進しています。
UNHCRとのパートナーシップ
2020年以降、ボッテガ・ヴェネタは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力し、難民に対してトレーニング、人材育成、雇用の機会を提供しています。UNHCRおよび地域のNGOと連携し、私たちは5つの異なる出身国からの難民を受け入れ、アカデミア・ラボール・エ・インジェニウムのトレーニングプログラムへの参加をサポートし、ヴェネトのアトリエや製造拠点で雇用しました。こうした活動が難民の統合に貢献したことを評価され、2022年と2023年の2度にわたり、「Working for Refugee Integration Award」を受賞したことを誇りに思います。
Bottega for Bottegas
2021年12月、ボッテガ・ヴェネタは「Bottega for Bottegas」をローンチしました。このプロジェクトは、私たちのクラフトへの愛を共有し、特にCovid-19パンデミックによって大きな影響を受けた小規模な職人を支援するためのものです。以来このプロジェクトを継続し、毎年ホリデーシーズンには、私たちの卓越性へのコミットメントを共有し、私たちのコアバリューであるクリエイティビティ、クラフト、コミュニティを体現する他の「ボッテガ」に、広告スペース、ウェブサイト、ニュースレター、店舗のウィンドウを提供し、彼らを称えています。